脳腫瘍、小脳梗塞←|
◆急性硬膜下血腫◆
●急性硬膜下血腫の特長ポイント
頭部打撲後の意識障害、手足の麻痺や痙攣
頭蓋骨骨折してない事がある
頭蓋骨の直ぐ内側に硬膜、その内側にクモ膜、さらに内側の軟膜と、3層の膜に包まれた脳がある。
激しい頭部打撲により、硬膜と脳の表面の間に出血があり血腫が出来る。これを急性硬膜下血腫と言う。
脳の表面と硬膜を繋ぐ橋静脈や脳表面の血管が破れて血腫が出来る。脳挫傷を合併する事が多い重症の頭部外傷である。
場所は側頭部に多く、打撲した側と反対側に脳挫傷が発生することがある。
頭部打撲直後から意識障害が出ることが多く、稀に意識がハッキリしている場合もあるが、その後急速に悪化する。
手足の麻痺や痙攣、昏睡に陥り、死に至る。
致死率は60%位で、救命されても重い後遺症が残り易い。
◆急性硬膜外血腫◆
●急性硬膜外血腫の特長ポイント
頭痛が段々激しくなる
意識がハッキリした状態が数時間続いたあと悪化
頭蓋骨と硬膜の間に出来た血腫を急性硬膜外血腫と言う。
打撲した部分で頭蓋骨骨折があり、骨折によって中硬膜動脈や静脈洞などが損傷して出血するのが原因。
中硬膜動脈の損傷のケースが最も多く、頭の横の部分の打撲で起こる。
急性硬膜下血腫の様に最初から意識障害が有るわけでは無く、意識状態は良い。
意識が良い状態が数時間続いたあと、意識状態が悪くなり、手足の麻痺、昏睡、死亡へと進む。
意識が良い状態が続く長さは、側頭部の打撲で10時間以内、前頭部の打撲で48時間以内程度。
意識が良い状態での特長的症状は頭痛で、頭痛が強くなり、うとうとして意識障害が出てくると急速に悪化する。
◆慢性硬膜下血腫◆
●慢性硬膜下血腫の特長ポイント
軽い頭部後2〜3週間で強い頭痛、吐き気、嘔吐、歩きにくい
高齢者では物忘れ、人格変化が全面に出る事がある
骨折が起こる様な強い打撲で無く、軽く頭を打った後で慢性硬膜下血腫が出来る。
打撲後2週間以上経ってから症状が出る。
打撲した時は勿論、意識障害は無く、その部分に瘤が出来る程度で、瘤も出来ない場合もある。
打撲後2〜3週間してから、頭痛が強くなる、吐き気、嘔吐、歩きにくいなどの症状が出る。
高齢者では物忘れ、性格変化が全面に出て、認知症と間違われることが有る。
症状が出てから、頭部打撲が有ったかどうかを聞いても、忘れている位に軽い打撲の事もある。
慢性硬膜下血腫が何故出来るのかは、良く解っていない。
軽い外傷で、橋静脈が引っ張られて軽い出血があり、それに脳脊髄液が混ざって出来るのでは無いかと考えられている。
慢性硬膜下血腫は、50代〜70代の男性高齢者に多い。
脳萎縮のある人、お酒を良く飲む人、肝臓病の人、糖尿病の人、抗凝固薬を飲んでいる人は慢性硬膜下血腫が出来やすい。
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